追悼イベント 小川信太郎に捧げる「男節〜無くてぞ人は恋しかりける」
無事に終演いたしました。
本当にありがとうございました。
稽古中、皆んなでダラダラ寛いでると、非常ベルがけたたましく鳴るので、信ちゃんが早く始めろと怒ってるんだね、と重い腰を上げたことがありました。
小屋入りの朝、劇場のドアを開けると、舞台のセンターに大きなゴキブリがじっとこちらを見ていました。
信ちゃんかもしれないからということで、フンワリとティッシュで包み外に逃がしました。
場当たり中に信ちゃんの写真を見つめるシーンで、天井から鉄の塊が落ちてきたり、照明機材から火花が散ったり。
水の次は火か!と誰もが思いました。
本番中もブースからよく物音がしました。
思い過ごしかもしれませんが、小川信太郎はきっと近くにいたと思います。
たくさんのお客様にお越しいただき、たくさんのお客様にお線香をあげていただき、たくさんのお客様と思い出話に花を咲かせて…
皆様のおかげで、とても温かい追悼公演となりました。
小川にとっても、私たちにとっても、幸せな時間でした。
「僕が探していたのは、あの人の姿ではなく、あの人がいなくなったことを受け止める僕の覚悟だったと」
劇中にあったこの台詞は、まさに私の心情です。
ルイ・アームストロングの「what a wonderful world」のように、本番中は2回ほど空に虹がかかっていました。
昨日は男節の想いをそのままに、信ちゃんが敬愛していた蜷川幸雄さんの追悼公演に行き、「そちらで小川信太郎という芝居バカに会ったらよろしくお願いします」と一方的に伝えてきました。
皆様のおかげで、私たちも覚悟を決めて、前を向けます。
皆様のおかげで、私たちなりに精一杯お見送りが出来ました。
本当にありがとうございました。
NO ACT NO LIFE!
NO FUNDOSHI NO LIFE!
2016年8月23日
元劇団BOOGIE★WOOGIE
劇団PIS★TOL 上田郁代